【学会発表】東京大学田中謙司大学院准教授と連携し、学際工学の国際学会「TE2023」にて論文を2本発表
〈フィットネスアプリ「Beatfit」運営のアリストル〉
~機械学習を活用した「レコメンドエンジン」、「運動習慣化スコア」に関する研究を発表、運動習慣化の改善・定着等、課題解決に貢献することを提示~
株式会社アリストル(本社:東京都渋谷区 代表取締役 宮崎 学以下「当社」)は、当社のデータサイエンス顧問アドバイザーである田中謙司東京大学大学院准教授と連携し、機械学習・AIを活用した運動習慣化支援のための「レコメンドエンジン」と「運動習慣化スコア」の2本の研究成果を、2023年7月にタイで開催された学際工学の国際学会、TE2023(Transdisciplinary Engineering 2023)※にて論文発表しましたことをお知らせします。
学際工学(TE)とは、単独の学問では解決が困難な社会課題に対して、自然科学から社会科学までの多様な学問分野を融合し解決を目指す新興の学問領域です。TE2023では、世界中の多様な学問分野の専門家が集まり、互いの知識やアイデアの交換を行いました。
論文発表した「レコメンドエンジン」は、当社が開発、運営を進めているパーソナルフィットネスアプリ「Beatfit」(以下「Beatfit」)に搭載されています。
■当社が学術研究に取り組む背景
当社は、機械学習やAIを活用した「データサイエンス」と、人間の行動の背景にあるインサイトを発掘する「マーケティング」を用いて、行動経済学に基づく 科学的アプローチから人間の行動を解析し、人々の「行動変容」を促すことで社会課題や経営課題を解決するサービスの開発・社会実装を行ってまいりました。また、それらを体現する事業として、運動習慣化支援アプリ「Beatfit」を運営しています。当社では、人間の行動原理を探求し、あらゆる領域で人がよりよい生活を送るために必要なサービスを創出し続けていくために、事業を通じての研究開発とともに、大学と連携し学術研究にも力を入れています。(※)今回の学会発表では、当社のデータサイエンスが複雑な社会課題解決を目指す学際工学の領域において、貢献できる可能性を提示できたことを、ひとつの成果と捉えています。
※当社では、東京大学大学院 工学研究科 技術経営戦略学専攻 准教授 博士(工学)田中 謙司氏を当社のテクノロジーアドバイザーに迎え、ゼミで共同研究を行っているほか、国立大学法人 一橋大学大学院 経営管理研究科 国際企業戦略専攻 教授 阿久津 聡氏をマーケティングアドバイザーに迎えています。
TE2023にて「レコメンドエンジン」に関する研究成果を発表する当社社員
■当社の発表論文について
当社では、個人に応じた運動習慣化を支援するサービスを提供するため、機械学習を活用したシステムの機能開発に取り組んでいます。今回は、フィットネスアプリ「Beatfit」を題材として研究を進め、研究成果として以下2つの論文発表を行いました。
①「パーソナライズされたレコメンドエンジン」に関する研究
タイトル:How personalization algorithm changes consumer behaviors in the digital healthcare service
著者:Ichino Joe, Miyazaki Manabu, Tanaka Kenji
【研究要旨】
本研究では、多数のユーザのコンテンツの利用履歴を集積し、ユーザー同士の利用履歴の類似性に基づき、ユーザー個人に合わせたコンテンツを自動的にお勧めする手法である「協調フィルタリング」を用いたレコメンドエンジンを「Beatfit」に搭載し、レコメンデーション機能として提供させて頂きました。この結果、ユーザー一人当たりのアプリ利用時間が1.37倍に向上したことが確認できました。本研究の成果は、上記のような、個々のニーズに合わせてコンテンツをお勧めするレコメンドエンジンをアプリに搭載することで、ユーザーの体験価値向上に繋げ、サブスクリプションモデルのサービスにおける収益性の改善とヘルスケアの文脈における運動習慣の形成に貢献できることを証明したことです。
abstract URL: https://te2023.ait.ac.th/wp-content/uploads/sites/64/2023/06/TE2023_6.pdf
②「運動習慣化スコア」に関する研究
タイトル:A study on habit formation and its measurement in the use of digital health care
著者:Kanemoto Satoko, Ichino Joe, Miyazaki Manabu, Tanaka Kenji
【研究要旨】
一般的なモバイルアプリでは利用者が積極的にアプリを利用していることを示す指標(以下「エンゲージ指標」)として、「利用時間」が用いられています。一方で習慣形成を目指すモバイルアプリの本質的な目的は、ユーザーが習慣形成により目標を達成すること(例えば、週3回、1回30分以上のランニングを1年続けたことによってBMI値が低下など)であるため、「利用時間」のみではなく、「利用頻度」や「利用期間」などを取り入れた新たなエンゲージ指標を検討するべきであると考えています。本研究では、機械学習モデルを用いて利用者個人のアプリにおける運動習慣形成の度合いを可視化する「習慣化スコア」の開発手法を提案し、「利用頻度」や「利用期間」が、新たなエンゲージ指標となり得ることを示しています。この新たなエンゲージ指標は、利用者の運動習慣の定着を最大化することに貢献するほか、「Beatfit」等のモバイルアプリのみならず、リアルなフィットネスジムでの運動習慣形成、さらに教育などの習慣形成が重要な領域にも応用できると考えています。
abstract URL: https://te2023.ait.ac.th/wp-content/uploads/sites/64/2023/06/TE2023_9.pdf
■今後の展望
当社では、行動変容に関するアカデミックな知見、データサイエンスとマーケティングの科学的なアプローチを基に、経営課題を解決するコンサルティング事業にも取り組んでいます。アリストルの強みはこれまでの自社サービス(Beatfit)の提供を通して培われたテクノロジーの強さにあり、調査、課題抽出、サービス開発、デザイン、実装 まで一気通貫して行えるのが最大の特徴です。今後もアカデミックと連携し学術研究を推進することで、アカデミックな知見とリアルなデータに基づくテクノロジーを組み合わせた経営コンサルティングを実現します。
<コンサルティング事業に関する詳細・お問い合わせはコチラ>
詳細URL:https://aristol.jp/motivation-intelligence-lab/
お問い合わせ先:https://aristol.jp/contact/
■TE2023について
TE(Transdisciplinary Engineering 日本語訳:学際工学)とは、環境や社会の複雑な問題を解決するために、自然科学から社会科学までの異なる学問分野を融合させ、アプローチを生み出すという新興の学問領域です。TE2023はISTE (The International Society of Transdisciplinary Engineering 日本語訳:国際社会学際工学学会)を通して、2023年は7月10日〜14日にタイのホアヒンで開催され、幅広い学問領域の研究者、学生、企業が参加しました。
TE2023の紹介URL: https://te2023.ait.ac.th/
■時間や心理的な障壁を取り除き、誰もが簡単に運動習慣形成できる「Beatfit」について
アリストルが開発、運営をするパーソナルフィットネスアプリ「Beatfit」は、最短3分からプロトレーナーの丁寧な指導で運動を実践できるフィットネスコンテンツを提供するオンラインヘルスケアサービスです。ストレッチ・筋トレ・睡眠を中心に、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動も含めた全12ジャンル、750以上のコンテンツを提供しており、幅広いコンテンツの中から自分に合ったものが自動でおすすめされるなど、運動に慣れていない方でも気軽に楽しく続けられる仕組みも備え、コンテンツと仕組みの両面から効果的な運動習慣作りをサポートしています。これまで、健康経営を推進する企業やフィットネスジムに導入いただいています。
Beatfitの紹介URL: https://www.beatfit.jp/
■株式会社アリストル
「意識を変え、行動を変え、未来を変える」をパーパスに掲げ、データに基づく科学的なアプローチから、世界で最も人間の行動を解明する集団をめざしています。フィットネスアプリ「Beatfit」を運営するヘルスケアテック事業と、ヘルスケアテック事業から得たノウハウをベースに法人顧客の経営課題を解決するコンサルティング事業を展開しています。
名称 株式会社アリストル
所在地 東京都目黒区中目黒1-1-17 LANTIQUE By IOQ 406
設立日 2018年1月9日
代表者 宮崎学
資本金 35,175,468円(資本準備金を除く)
コーポレートサイト:https://www.aristol.jp/
採用サイト:https://aristol.jp/careers/
CEO公式ブログ:https://leadyourdream.net/
<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社アリストル contact@aristol.jp